福岡市中央区、福岡ドームやシーホーク・ホテルをバックにそびえるベンガラ色の五重塔をご存知でしょうか。福岡県で唯一の木造五重塔 『大圓寺五重塔』です。

平成の世にこの美しい五重塔が建てられた”いきさつ”と住職波多野聖雄が五重塔に傾けた情熱については、「五重塔に魅せられて」をお読みください。

木造三間五重塔姿
二重基壇 組物三手先 二軒繁垂木 銅板葺
亜鉛鍍金鉄円柱芯
総高38.358m 塔身26.518m


五重塔の由来

もともと、お釈迦さまのお墓は、円形のおわんを伏せたような形でした。この円形の塚のことを梵語で”ストゥーパ”といいます。後に、お釈迦さまの遺徳をたたえるため石柱のストゥーパがインドの各地に建てられました。

ストゥーパは、「積み重ねる」という意味で、中国では「卒塔婆」の字があてられました。今日、故人の名を書いて追善供養の方法のひとつになった板製の「卒塔婆(そとば)」は、これからきています。

ストゥーパは、巨大な塔へも変化しました。これが五重塔です。しかし、肝心なのは、五重塔そのものではなく、屋根の上にあるアンテナのような部分です。「相輪(そうりん)」といいます。屋根から下のいわば飾りの部分といってよいでしょう。

「相輪」の一番上の部分である「宝珠(ほうじゅ)」が最も重要で、ここがお釈迦さまの遺骨(仏舎利)を納めるところです。宝珠の形は円満成就、完全無欠を表わします。


「相輪」は通常七つの部分からなっている。「九輪(くりん)」ともいう。上から、「宝珠(ほうじゅ)」「竜車(りゅうしゃ)」「水煙(水煙)」「宝輪(ほうりん)」「請花(うけばな)」「伏鉢(ふせばち)」「露盤(ろばん)」
相輪
宝珠(ほうじゅ) お釈迦さまの遺骨を納めるところ。
竜車(りゅうしゃ) 高貴な人をのせる乗り物を表わす。
水煙(すいえん) 火炎の透し彫りのデザインだが、火を嫌うことから水煙と呼ばれる。
宝輪(ほうりん) 九つの輪。五大如来と四大菩薩を表わす。
請花(うけばな) 上記までのものを受ける飾りの台。
伏鉢(ふせばち) ストゥーパ(お墓)の原型。土まんじゅうの部分。
露盤(ろばん) 伏鉢の土台。
中央を貫く心棒の部分は、刹管(さつかん)または擦(さつ)という。
五大如来 お釈迦さまが悟りを開いた後の姿。
大日如来 だいにちにょらい
阿閃如来
あしゅくにょらい
宝生如来
ほうしょうにょらい
阿弥陀如来
あみだにょらい
不空成就仏
ふくうじょうじゅぶつ
四大菩薩 胎蔵界の大日如来の四方位に位置する菩薩
普賢菩薩
ふげんぼさつ。南東に位置する。
文殊菩薩 もんじゅぼさつ。南西に位置する。
観自在菩薩
かんじざいぼさつ。北西に位置する。
弥勒菩薩
みろくぼさつ。北東に位置する。